スナオナシュキ

素直になりたい:30代男性(自営業)

ドラクエ11を3D酔いしないでプレイするたった1つの方法

「お前、本気でやってんのか!?」
「本気でやってます!!」
 
なんて、やりとりを目にしたり、聞いたりしたことはないだろうか?このフレーズを聞くたびに、本気でやってるかどうか聞いてくるやつって、すごい高慢だよなって思う。じゃあ自分は本気なの?って。
 
とか言ってる自分が、つい最近この ”本気でやってんのかフレーズ” を口走ってしまった。
 
まず話はドラクエ11を並んで購入した時にさかのぼる。
 
僕と嫁(メガネ)は二人揃って”それなりのゲーム好き”だ。ドラクエも一通りはプレイして、Ⅴ(ファイブ:5作目)辺りは何周かプレイしている。
 
しかし、すごく詳しい訳ではない。やっぱり嫁はビアンカだよねぇ、という初歩のあるある程度で楽しさを共有出来るレベルなので、すごーくドラクエ熱の高い人(兄)に、「ロトとは?」というような話をされると胃もたれする。
 
ドラクエ11については発売日に買うかどうか迷っていた。我が家にはPS4がないので、ドラクエ11を機に導入する予定ではあった。これは確定事項なのだが、安いものじゃないので、あとは時期をいつにするか決めかねていたのだ。
 
当初、7/29日は仕事がフルに入っていて、8月頭も忙しそうだし、買っても気持ち良くプレイできなさそうだった。やるからには、サブイベントも含めてしっかり世界観を楽しみたい、という理由で仕事が落ち着いた頃に買おうかな、ぐらいのテンションだったのだ。
 
対する嫁(メガネ)は、1ヶ月間にわたり発売日に欲しいアピールを僕に浴びせ続けていた。
 
近所にゲオがあるのだが、僕らは中々の頻度でDVDを借りに行く。そこのゲーム売場の入り口に、デカデカとドラクエ11コーナーがあり、発売告知と予約案内が表示された棚が設置されている。DVDを借りに行くのも、返すのもそこを通らなくてはならない。
そこを通るたびに、
 
「ねぇねぇ、ドラクエ予約できるよ」
「特典もあるって」
「見てみて!ロト仕様だって!」
「予約って少し安くなるんだよ。知ってた?」
 
と、控えめだが確実なアピールを必ずしてくる。
僕はそれを無視して通り過ぎる。そりゃあ欲しいんだけど無視する。
服屋の店員に声かけられた時のあの感覚に似ているかもしれない。
 
そんな攻防を1ヶ月間続け、発売日直前まで時間が経った。偶然にもドラクエ11の事を全く考えずにゲオに足を運んでいた(マジで)。そして、良いのか悪いのか、28日29日30日と驚くべきタイミングで仕事が空いていたのも偶然。まるで29日の発売日に合わせて自分が連休取ったみたいに空いたので、これは買えと言う神お告げだと思った。
 
ドラクエの神が、ロトが、兄が、ドラクエ11を買えと言っている。
そしてゲオの店員に聞く。
 
ドラクエって何時から販売ですか?」
「0時です」
 
神か。この店はGEOではなくGODだった。
ちまたでは朝7時からという情報だったのに、近所のゲオは0時発売だったのだ。
 
やはり、これは買えと言うお告げなのだ。
ドラクエの神が、ロトが、兄が、ゲオがドラクエ11を買えと言っている。
いや、ゲオは販売店だからずっと買えって言い続けてるか。
 
そして並んだ。
23時30分にならんで5番目くらいだった。
僕より2つ後ろにはゲマみたいなお婆ちゃんが並んでいた。
ゲマみたいなお婆ちゃんはきっと、孫に買ってきてくれと頼まれたのだろう。
ゲーム好きのゲマの孫は、ゲレゲレみたいな猫を撫でながらゲマにゲオに行けと。
ゲームとは立場が逆転だな。下克上ってやつか!
とか意味もわからないことも考えてしまうほど、テンションは上がる一方だった。
 
みんな、それぞれの思いを馳せながらドラクエ11を手に入れるために並ぶ。
一人、また一人とドラクエ11を手に入れては笑顔になっていく。
次は僕たちの番だ。カウンターの人にドラクエ11が欲しいと告げる。
いや、もうここは告げずに分かっててくれよ、とも思ったが、これは儀式のようなものなのだ。相手に好きだという気持ちは伝わっていたとしても、告白というイベントは起こさなければ次のステップにいく資格はない。
これは、告白と同じなのだ!
 
そして、ついに手に入れた!
 
このワクワク感、高揚感はわかるものにしか分かるまい。日付がかわる時間になってもテンションはあがる一方だ。隣の嫁(メガネ)も満面の笑みである。
そりゃ、僕よりずっと欲しがっていたのだから。喜びは計り知れないだろう。
しかも、買う予定もしてなかったサプライズでもある。
 
その喜びようったら、なんと表現すればいいものか。
犬だったら尻尾振ってる。振り乱してる。歌舞伎やデスメタルも引くぐらいに
振り乱している。もはや、尻尾を振ることが目的となっているといっても過言ではない。
 
こんなに喜んでいるのだから、最初のプレイは譲ってやろう。
そう思って、テンションは最高潮を維持したままPS4の設定とインストールを速やかに
こなした。嫁(メガネ)の設定作業の身のこなしは、もうプロだった。おそらく入念にシミュレーションを重ねていたのだろう。お菓子やドリンクの準備もバッチリだ。
そしてインストールが終わり、画面が切り替わる。
 
テーッテテ♪テッテッテッテテン♪(テーッテテ♪テッテッテッテテン♪)
 
ざわ…
 
あの一番テンションのあがるオープニング曲に歓喜の声を上げた!
抑えようとしても鳥肌が止まらない!
だめだ、全身がざわざわする!
初めて腕を押さえつけようとする、もののけ姫のアシタカの気持ちが分かった。
ここからは、映像の美しさなど、あれやこれやとドラクエに賞賛の声を上げながら、
盛り上がりは止まることなくプレイが続いた!
 
そして冒険の旅が始まってから30分。
事件は起こった。
 
 
なんと、嫁(メガネ)は3D酔いをした。
 
 
こっからはテンションがだだ下がりだったのは言うまでもない。
細かいことを言うならば冒険の旅すらしていないのだから。
最初の村を出ることなく終わった。勝手に人の家に入り、部屋を荒らす男の子を体験しただけだ。
さすがに嫁(メガネ)自身でも信じられない出来事だったようだ。
ソファーに横たわる横顔から目にはうっすら涙のようなものまで見えた。
 
3D酔いがよほど悔しかったらしく、僕にどうやったら3D酔いをしないか鼻声で聞いてきた。
 
「グスッ。ねぇ。3D酔いってどうしたらいいの?」
「…ていうかさ。本気でやってんの?」
「…えっ?」
「ちゃんとワクワクしてんの?」
「…」
「これから冒険が始まるってことに本気で思ってんの?もっと言えば、これから悪魔の子とか言われてすごい冒険が始まるのが分かってるのに、酔ったとかいう理由で脚止めるとか意味わかんない。3D酔いをどうするとかじゃなくて、勇者の使命とかを感じてるやつは3D酔いなんてしないと思う」
 
ホントは途中どもったりしたけども、こんなようなことを口走っていた。自分でも熱が入っていたと思う。本当なら体を労わってあげたかったけど、あれだけテンション上げていった結果のふがいなさとか、初回プレイを譲った優しさの裏返しやら、いろいろ吹き飛ばしたかったからだろう。けっこうガチの説教してしまった。
今振り返ると、なぜ怒られたか嫁(メガネ)は意味がわからないだろう。でもその時、彼女は確かにこう言った。
 
「はい、すいまてん…」
 
ちゃんと謝罪したのだ。語尾は鼻声の「てん」だったけど自分の非を認め、これからは本気でドラクエ11に取り組むと誓ってくれた。
 
今では立派に2時間連続プレイができるようになった。
冗談みたいだけどホントの話です。
 
3D酔いをせずにドラクエ11をプレイしたい方は是非、試してみていただきたい。