スナオナシュキ

素直になりたい:30代男性(自営業)

パフパフの証明

「パフパフってなんだぁ〜?」
 
僕がPCと向き合ってる横で、嫁(風呂嫌い)が急に大声をあげた。言い方としては「俺はこれからどうやって生きていけばいいんだぁ〜!」というニュアンスで「パフパフってなんだぁ〜?」と叫んだ。
 
嫁(風呂嫌い)が、なかなかの世間知らずということは最初に伝えておきたい。最近になって ”エレベーター” と ”エスカレーター” の違いを理解できるようになった。ないない、それはない…という冗談だったらどんなに良かったか。本気で間違えていたからタチが悪い。
 
 
もう一つ最初に伝えておくと、嫁(風呂嫌い)は26歳だ。改めて読み返すと、とんでもない犯罪を公表しているみたいだったので、追記しておく。
 
最初は間違いに気がつかなかった。エスカレーターとエレベーターを間違える、という発想が全くなかったことが発見を遅らせる原因となったと思う。あとから思い返して気づいたが、外出すればエスカレーターとエレベーターという単語は思ったより登場回数が多い。おや?と思った次に、間違いを発見した時には確信に変わる。嫁(風呂嫌い)がエスカレーターを指差し「エレベーターで行こうよ」と何食わぬ顔で言ったとき、
 
(こいつ、まさか…?)
 
となったわけである。
 
初めて呼び間違いを指摘したときも、僕はまだ、まさかと疑いながら訊いた。
 
「大丈夫だとは思うけど…、あれエスカレーターって言うんだよ。知ってる…よね?」
 
確かこんな感じだったと思う。そしてまさかの返答。
 
「え?違うよ。エレベーターだよ」
 
こいつはヤヴァイ。まさか自分が否定されるとは思わなかった。これにはさすがの僕もイラッときた。得意げに、自信満々にエレベーターだと返してきた顔を見た瞬間、キメラアントを呼び寄せてネフェルピトーに脳をクチュクチュされてしまばいいと本気で思ったぐらいだ。
 
「あっ、エスカれーあっ、エレベー、あっ」
 
ってなればいい。
 
という経験から、エスカレーターも分からない嫁(風呂嫌い)がパフパフを理解出来る筈もない、という結論に至る。仕方ない、教えてやるかと腰を上げようとした瞬間、僕はある一つの疑問にぶつかった。自分が教えようとしたパフパフは本当にパフパフなのだろうか?
 
少し冷静になって考えてみよう。パフパフについてのヒントはゲーム中のいたるところに散らばっている。擬音、主人公の周りの環境、近くにいるキャラクター、ハートマークなどを用いてパフパフを表現している。ただ、どんなに思い返してもヒントしかない。実際にパフパフしている描写は本作中には描かれていないのではないか?
 
ということは、つまり…
 
 
僕のパフパフはすべてイマジネェイションでしかないということだッッッ!
 
 
急に取り乱したことを謝罪しよう。どうか落ち着いて聞いて欲しい。僕については「新しい発見をした時」と、「高速のジャンクションの案内表示に翻弄された時」、この2点で非常に興奮する、ということが報告されている。本家ドラゴンクエストで、パフパフという事象は具体的な映像で表現されたことがない、という発見でどうやら興奮してしまったようだ。
 
ということで話に戻る。今回大事なのは、パフパフが明確に定義されていないということだ。おそらく薄い本の方では、しっかり描かれていることだろう。そりゃあもう、冒険初心者のピュアボーイの知らない奥の奥までしっかり描かれていると思う。”薄い本に出てくるキャラクターは別人である”ということは、以前に話してあるので、問題なのは原作にパフパフされている映像が映っているかどうかだ。
 
ない。(僕の知る限りが
 
ドラクエマニアの兄に聞いても良いが、滅多に連絡取らないので、久しぶりの連絡が、「原作中にパフパフの描写がしっかり映ったシーン知らないか?」だったところで、もう僕らは兄弟なのか何なのか、関係を一度見つめ直さないといけなくなる。
 
つまり!!
 
映像が出てない限りは、パフパフが何なのかを証明することはできないッッッ!
 
これは困った。右代宮戦人(うしろみやばとら)になった気分だ。シュレーティンガーのパフパフってやつか。これは、どうやって嫁(風呂嫌い)に説明しようか。くどいようだが、エスカレーターも理解できてなかった人間に、シュレーティンガーのパフパフが理解出来るはずがない。
 
いくつか、パフパフとは?の問いに対するごまかし案を考えた。
 
「パフパフはいつも心の中にある」 
「パフパフとは、運命を支配する自由な行為である」
「パフパフの維持は義務である」
「すべてはひとつなんだ。ワンネス(パフパフ)」
「パフパフは全体の半ばである」
「ともにパフパフする楽しさほど、人々を結びつけるものはない」
「パフパフも、また、法なり」
「パフパフとは、ただの言葉だ」
 
個人的には最後のやつが、柳生石舟斎が天下無双とは何かを説いた時と同じ感じがして良いと思う。
 
そして 夜が 明けた!
 
僕は嫁(風呂嫌い)の問いにまだ答えられていない。