スナオナシュキ

素直になりたい:30代男性(自営業)

ふと思ってしまうこと

なかなか便利な世の中になったもので、調べれば大抵の疑問は解決してしまう。
 
喫茶店に入り、PCを開いて作業をしていた。目の前の席の男性がスポーツ刈りにメガネだったので、中学の時のグッチ(坂口君)みたいだな、とほくそ笑み、まわりを見渡したら、10人中9人がメガネをかけていたことに気がついた。最後の一人、空気を読まなかった裸眼男(ヒョロっとしたスーツ)を二度と立ち上がれなくなる程に心の中でディスった後、ふと「非常口がなんで緑なんだろう?」と疑問に思った。
 
僕は「ふと」とか、「急に」という感じで思考が飛ぶ時が多い。もちろん、一人のとき限定だが。ふと、目に映るすべてのモノがヒトによって作られたモノなんだな、と考えてしまって、ヒトの手が入ってないモノ探しをしながら散歩をした時がある。
 
歩いているコンクリートや引かれている白線、身につけている靴やシャツ、視線を釘付けにして止まないベランダのブラジャー、走っている車、その車の細かな部品、マンションの外壁、ガードレール、自動販売機。すべてはヒトの手が入っている。
 
恵みの雨が降り、力強い太陽の光が木々を育てても、ブラジャーは実らない。たまに乳房を果実と表現するが、比喩であり果実ではない。揉みしだくとたまに汁が飛び出し、それをミルクと表現するが、それは確実にミルクである。
 
とか思いを馳せながら散歩を続ける。公園に着く。公園だってヒトが作ったもの。時計も砂場も土も植木も、自然に見えるがヒトが作っている。公園のゴミ箱もそうだ。その中に入ってるブラジャーもゴミだ。いや、ブラジャーはゴミではない。
 
おや?少しきになるな。
 
これは先ほど釘付けにしたブラジャーと色や形が似ている。何か因果関係があるのだろうか?もしかしたら、生き別れた姉妹が偶然近くに住んでいるという可能性がある。これはドラマが生まれる可能性がある。どうにかして、2つのブラジャーを結びつけることはできないだろうか?ワコールに相談してみるか。それか、DNAを抽出できれば判定できるかもしれない。DNA鑑定も身近になりつつあり、5,6万あればできた気がする。ただ、公園に捨ててあるブラジャーは良いとして、ベランダのは無理がある。5,6万は惜しくないが、ベランダのは高すぎて無理がある。
 
みたいなことを、ふと考える。考え事はいつも脱線するので、最初のテーマの熱が冷めることもよくある。ちなみにヒトが作ってないモノは、空とか雲とかでいいんじゃないか?そんなのは適当でいい。
 
非常口がなぜ緑か気になったことは本当なので、調べるということは、ちゃんと実行している。理由は火災が起きた時に辺りは火で赤くなるため、緑は補色と呼ばれる正反対位置にある色合いで、良く目立つからだ。すごくシンプルな理由だ。しかし、シンプルだからこそ昔から今でも変わらずに使い続けられる理由なのだろう。
 
この、”補色関係にあり目立つ” という事例は他にもあるのか?ないなら何かに役に立つのではないかと考えてみた。補色と言っても、だいたいの分かりやすい対比でいい。色番号までこだわると、なんかクドイ。クドイ文章が大好きなのに、そういうのは面倒だ。補色っぽくて目立つのは、
 
「赤と緑」、「青と橙」、「黄と紫」
 
大きく分けてこの三通りだ。呼び方にこだわると、反対色と呼ばれる「青と黄」みたいなやつが出てくる。「GU」とか「Tポイントカード」とか「ドラえもんとドラミ」とかよく見る。
 
僕が味わいたいのは、非常口が緑で、火の赤と補色だから目立つみたいな、後世に語り継がれそうなやつ。その発見。
 
 
全然ない。
 
「なんでアレはアノ色なんだろう」を逆引きすると全然ない。
 
Googleで「紫」と検索すると「わぁ、きれい!」とナチュラルに言えることぐらいしか発見できない。何も見つからない。だからと言って、始めてしまったものを途中でしまうことはできない。露出狂だって、美少女っぽい美少年の前で、露出させたモノを途中でしまうことはできない。強引に脳内で何かを納得させてそのまま進むことだろう。
 
目を瞑り数秒。「うん。大丈夫!イケる!」
 
露出狂に習えば、僕の方も強引に補色の話について進まなければならない。しかし、取り急ぎ補色について話すことはもうない。捕食についてもない。Google検索を用いて、こんなにも知りたいことが、知らないままになったことはあっただろうか?冒頭で調べれば大抵の疑問は解決してしまうと記述したが、新しい発見に気づいたり、アイデアが生まれることはない。
 
はぁ…。これは冒頭と言ってたこと正反対、まるで補色関係じゃないか。
 
なかなか難儀な世の中になったもので、調べても新しい発見は見つからない。