スナオナシュキ

素直になりたい:30代男性(自営業)

ふいに拷問を受けたらどう対処するか

世知辛い世の中になったもので、僕は電車の中で拷問を受けたことがある。

電車で拷問だなんて、誰が経験した事がある?かろうじて、伊坂幸太郎の登場人物なら経験しているかもしれないが。

 

 その日は東武東上線、地下鉄副都心線東急東横線をフルに使い、真っ直ぐと埼玉から神奈川までの電車移動だった。

不運なことに椅子に座れず、新宿三丁目までを立って過ごした。急ぐ用事でもなかったので、すべて各駅で停まる電車に乗り、新宿三丁目に着くまでに1時間は経過していた。

 

そして目の前の女性が立ち上がり、席が空いた。

 

やっと座れた僕の前に入れ替わるように現れた人物は、おそらく50代前半くらいの少しふっくらした女性。

ウェーブの掛かった髪は美容院でやってもらったのだろう、全体の重さのバランスが整っていた。手には伊勢丹の紙袋をぶら下げている。

同じ雰囲気の同世代ぐらいの女性と一緒だった。僕の目の前の吊革とその隣の吊革につかまって、二人の女性は楽しくおしゃべりを続けて…いや臭すぎるッッッ!。

 

いや、もう、何ていうか臭すぎる。口臭が。思い出しスメルによって、執筆を続けられなくなる程だ。

どっちの口臭?

とかそういうレベルではない。車両内に神経ガスが撒かれた時に人は「誰がやった!?」とはならないだろう。

だから犯人を見つける前にまずは自分の命を守る。ゆえに僕はすかさず息を止めた。

その後、僕に出来ることと言えば、ジャックバウアーが突入して助けてくれるのを祈るしかなかった。これはFBIではなくCTUの案件だと思ったからだ。

 

どんなに待っても、助けは来てくれないので自分なりに対策を打った。おそらく支部長のヘイスティングスがクロエの進言を無視したせいだろう。

犯人は僕の目の前の女性だということはすぐに分かった。口を開いたタイミングで臭いが発生するので、うまく呼吸を合わせれば被害は最小限で済むのだ。

自然と目線は口元いくので、僕が唇を狙ってソワソワしている、みたいな関係性に見られてると思うとゾッとした。おかげで綺麗に引かれた紅ですら憎悪の対象となった。

 

席を立ち有効範囲から逃れる、という対策は頭に浮かばなかった。命の危険が迫っている状況なのに、今考えると不思議だ。

あれだろうか?

映画デイ・アフター・トゥモローの状況に似ているかもしれない。全世界が氷河に包まれた大災害、それでも何とか一命を取り留め、一つの空間に閉じ込められた状況。同じ場所に留まったとしても食糧は尽きてしまう。外に出て自ら活路を開くか、それとも救助を待つか。

 

窮地にして究極の選択。

 

そう、僕は救助を待つ方を選んだのだ。

結果的に映画では救助を待つほうが生き残り正解を叩き出したのだ!

今回のケースも同等レベルの災害のはずなので、僕は自分を誇らしく思う。命の危険が迫る状況で冷静な判断が下せたことを。

 

席を立ち車両を変えたところで、この神経ガスメルはもう日本中に充満してる可能性が高い。だったら、座っておこう。ちょっと足痛いし。疲れてるし。

 

座りながら考えた。

今後のためにも、未来で同じ被害者を出さないために僕が出来ることはなんだろうかと。

相手は言うなれば、核を積んだ女性なのだ。対処するにはNジャマーキャンセラー*1の開発を急ぐしかないと考える。

そのためには…

 

まず、ザフト軍に志願しよう。決まりだ。

もう、あれだ。ふいに拷問を受けたら、みんなザフト軍に志願すればいいんじゃない?

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:ガンダムSEEDに出てくる核を打ち消す事ができるやつ