「おきに」はワンピだけかと思ってた。
自分が常識だと思ってたことが、一気に覆る瞬間がある。
お恥ずかしい話、最近まで僕は”おきに”はワンピ(服の方)にしか使えない単語だと思っていたのだ。
ご存じの通り「おきに」は「お気に入り」の略語の事で、誰が使い始めたのは不明だ。
でも何故か「お気にのワンピ」というフレーズが僕の脳で先走ってる。
少し比較例を考えてみる。
”お気にの鉛筆”
”お気にのカレー屋”
”お気にの俳優”
意味は「お気に入り」と同じなので、ヒトでもモノでも当てはまる形容詞のはずが、あまりしっくりきていない。
特に「鉛筆」は何故かしっくりこない。
”お気にのブラ”
少ししっくり来た!
あれか?「お気に」の対象である言葉も略語の方がしっくり来るという法則か?
実際 ”お気にのワンピース” はそんなにしっくりこない気がする。
“お気にの浜省”
うん。アリだな。
“お気にのチワワ” うーん…
“お気にのチワ” ありかな?
“お気にの犬” “お気にの猫” “お気にの象”
あ、もうよく分からなくなってきた。というか、どうでも良くなってきた。
今すぐ辞めたい。
「お気に」について語るの辞めたい。
早めに「浜省」という単語がよぎったのも良くない。「浜省」の使い所が良くない。
でもせっかくだから、なぜ「ワンピ」が脳を先走るのか検索してみたところ…
芸人の陣内さんのネタで「お気にのワンピがないから行かない!」っていうフレーズが出てきていた。
僕はお笑い好きなので、ネタは見てる可能性が高い。それで面白さとインパクトでグサッと根深く刺さっていたのかもしれない。
そして、日本語俗語辞書というサイトに「オキニ」が単語登録されていた。
意味がお気に入りの略語という事と、
【種類】若者言葉、コギャル言葉
とあった。
コギャル言葉だったのか。だか後に続く言葉も略語がしっくり来るのだ。
そりゃ「お気にの鉛筆」がしっくり来るわけがない。ギャルが鉛筆を持つ訳ないのだから。
そういう背景が分かると
“お気にの理論”
“お気にのパラドックス”
とか、ギャルが使いそうもない言葉を続けるとギャップが発生することが分かる。
ギャップはお笑い手法の一つであるため、記憶しておいて損はない。
そしてギャップを発生させるには、その対象を正しく理解しなければいけない、ということを学んだ。
例えば
葬式でふざける、などコントでよくある設定にもギャップが使われている。葬式はふざけてはいけない、という共通の正しい認識があるからこそ、ギャップが発生する。
例えば
ウンコやゲテモノを即座に抵抗なく食う。ウンコやゲテモノは食えないという、共通の正しい認識があるからこそ面白い。ウンコを日常から食ってる人から見れば何一つ面白くはない。
まぁ、でも実際に食ったらギ気持ち悪さが買っちゃうけど。
兎にも角にも、僕は「お気に」を正しく理解していなかったので「ワンピ」という使い方しか知らなかったわけだが、背景を知ればまだまだ使い方がある。
世の中まだまだ分からに事だらけだなぁ。