スナオナシュキ

素直になりたい:30代男性(自営業)

知識量と経験のレベルに寄っては時を越える

一人バー遊びにはまっていた時期がある。

当時住んでいた板橋~池袋周辺にあるバーの一つに、焼き鳥がメニューにあるオーセンティックバーがあった。

初めて入る店は、いつも気取ってスコッチとミックスナッツをオーダーして1時間ほど飲んで帰る、みたいなことを繰り返していたので、”焼き鳥”というツマミに合う酒はどういう酒なのか皆目検討がつかなかった。

 

だが心配いらない。そういう時はマスターに聞けばいい。 

これが一人バー遊びの醍醐味である。

 

「マスター。ちょっと聞いてもいいですか?」

「どうぞ」

「メニューにある焼き鳥には何が合うんですか」 

「そうだね。うーん…バーボンかな」 

「へぇー。じゃあセットでもらおうかな。バーボンのおすすめは?」 

「knob creek(ノブクリーク)」 

 

このノブ・クリークが発言されるまでコンマ2秒。というか僕の質問が終わる前に答えていたかもしれない。あのマスターは見聞色を極めている。それぐらいの速さだった。

 

そんな即答されたらノブ・クリーク頼むに決まってる。値段なんか確認せずに頼む。

 

これ中々到達できない領域ですよ。「好き」と「知識」と「経験」が高次元で維持してる状態じゃないと無理だ。

おそらくマスターも、「焼き鳥にはノブ・クリーク」と答えを予め用意していたわけではないだろう。前半の僕の質問である「焼き鳥には何が合う?」という質問の時点でマスターの脳内には、様々な酒のビジョンが駆け回っていたはずだ。

 次にトライ&エラーを繰り返した経験から、瞬時にレコメンドを行い幾つかに絞られる。

 

そして、なんと驚くことにここまでじゃ自動で行われるのだ。

 

無意識である。

 

数千、数万と繰り返された経験は自動化されるのだ。芸人さんとかすごく面白い人の素早い切り返しとかも同じ原理だろう。

 

つまり、ビックデータがあるからこそのAI技術、みたいな事だろうか?

 

そう考えると、まだまだコンピューターには負けてられない。簡単に検索できるようなことはコンピュータに記憶させていけば良い。だが、まったく同じ人生を歩む人間がいないように、一人一人が歩いてきた複雑な経験はコンピューターには真似出来ない。

 

AIに仕事が取られるか、取られないかの分かれ道ってそんな感じな気がする。

 

よし、せっかくAIって単語出したから、難しい事とか語ろうかな。

 

けどダメだ。…下ネタしか出てこない。

 

AIとか、ビックデータとか、ジェンダーとか、ドビュッシーとか、チュッパチャプスとか、もう下ネタじゃないか。

 

とりあえず、深夜ラジオ聞くのやめようかな。