生まれながらに定められた運命
その一族に産まれてしまったが最後、運命からは逃れられない。
もし君が自分で歩く足を持っているのならば、運命を自ら切り開く道を見つけられたかもしれない。
もし僕に絵を描く才能があったならば、もっと絵を描く練習に時間を割いた人生計画を練らば良かった、と後悔してももう遅い。
そうすれば僕は君を擬人化してあげられたら良かったのに……と憂う。
で、チュッパチャップスの話なんですけど。
チュッパチャップスってすごい。
もちろんネーミングが。そのネーミングに負けないフォルムもすごい。
自らを「しゃぶる専用だ!」とか「みんな、俺を舐めまくってくれ!」と宣言し、コンビニでもスーパーで場所もわきまえずに公共の場でしゃぶられ願望をぶちまける。
そして、いざしゃぶられている間は”僧”のように時がすぎるのを待つ。
めちゃくちゃしつこくナンパしてきたのに、めっちゃマグロ。
そういう一族。
そんなイメージを持って擬人化の画像検索をした。
うーん。なんかイメージと違った。
僕は絵を書けないから文句は言える立場じゃないんだけど、もっとチュッパチャップスらしい一族を書いている絵師さんがいたら、ぜひ友達になりたい。
市場価値は安く、大量生産され、多種多様でカラフルなカラー。
そして長年愛される。
買うだけ買って、忘れ去られ、放置される時もある。
しゃぶられずに捨てられる奴もいるだろう。
でもソイツ、きっと怒ってない。
私のことは捨てても、妹たちのことは愛してあげてねって言って捨てられてる。
最後は笑顔。一筋の涙。
その涙は奇跡的な確率でしか採取されないため、レアアイテムとしてブラックマーケットで取引されている。
そうだな、チュッパチャップスを擬人化したアイドルなんて良いかもしれない。
僕は観ないけど。